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8月中旬、某日。
第27号で組立方法を紹介されていたのが真空成型器だ。
その構造は、大型タッパーのフタに穴を開けモチ焼き網を貼り、
器の側面に丸穴を開けてパイプをとおしただけのもの。
ビニールテープで密封し、掃除機の先につなげば完成、
百円均一でそろえて700円ということらしい。
切ったり削ったりする以外に、
熱して型に押し付けるのが樹脂ならではの加工方法だ。
ただ熱して型に押し付けるのがヒートプレス、
さらに複雑な形に樹脂を密着させるために
型と樹脂の間の空気を抜いてやるのがバキュームフォーム、
つまり真空成型だ。
子供のころ、プラモデル作りに熱中していたので
バキュームフォームという言葉は知っていたのだが、
具体的にどういうものかは、40を超えて初めて理解ができた。
さて、第28号では、RZ-1の胸部パーツを型にするようだ。
真空形成にはさらに、木製の枠が必要だ。
といってもこれも100円均一の額縁のようなものだ。
これに加工の材料となる樹脂の板をはさむ。
プラ板でも可能だが、初心者は塩ビ板の方がやさしいらしい。
これを電気コンロであぶる。
すると中央から徐々にやわらかくなり、中央が少し垂れてくる。
そしたら掃除機をONにして、真空成型器のもち焼き網の型の上に
樹脂を押し付ける。
最初は押し付けられたところがもっこりしているだけなのだが、
空気を吸い取られるとクッキリと型の凹凸が浮かび上がる。
おおっ! なかなかの出来じゃん。
型から外して、不要な部分を切り落とせば
けっこうリアルなオリジナル樹脂パーツの完成だ。
実は、RZ-1を組立ながら、なんとかオリジナルのパーツを
組み込めないかを考えていたのだ。
これを使えば、ちょっとした部品なら作れそうではないか!
と、淡い空想をしていたら、落とし穴に気付いた。
電気コンロ。
幾重にも丸く貼られたコイルが赤く光って熱を発する、
最近IHに押されてすっかり見なくなったあの電気コンロだ。
いや、今でも1Kのマンションあるいはアパートとかでは
結構現役でがんばっているかもしれない。
しかし我が家には無いよなあ、電気コンロ…。
値段はしれているんだろうけど、他に使い道無いよなあ。
冬に向けて暖かいコーヒーでも飲みながら
RZ-1を組み立てる…というのも、貧乏くさいなあ。