忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2024/05/18

立つんだ! RZ-1

今からおよそ10数年後…、
宇宙山賊団ゴリゴリの侵略を受け、
人類はその奴隷とされる危機に瀕していた。

ゴリゴリには、従来の通常兵器では歯が立たず、
核兵器を使えば自ら地球を絶滅させるだけだった。

奴らを打ち倒すには、小型スーパーロボットで
戦うことが有効と考えられていた。
それは研究者のK博士の手によって、毎週もしくは
隔週で少しずつ組み立てられていたものだったのだが、
博士が日頃から抱いていたスーパーロボットへの迷いと
多忙により、今ではその存在すらも忘れられかけていたのだ。

やがて博士は消息もわからなくなり、
ただ彼の息子のDスケがその研究所跡で暮らしていた。


その日の空襲で、K博士の研究所跡も
ゴリゴリ軍の空襲により壊滅的な痛手を負っていた。
中学生になったばかりのDスケは
焼け跡を見つめてぼう然としていた。

「と、とうさん!
 ぼくはどうしたらいいんだ!!」

「ゴリゴリ軍を打ち倒すには
 とうさんが作った小型スーパーロボットが
 有効だって言われているのに
 そのスーパーロボットの研究の成果は
 いったいどこにあるんだ…」

K博士の研究の成果は
博士が失踪したのちに、嫁の手…(変更)
博士が失踪する前に、本人の手によって
一切処分されたと言われていたのだ。


Dスケは胸いっぱいの絶望を振り払い、
避難所へと向かうため、焼け跡の研究所から
足を踏み出した。
すると…、

ドドドドドーーーーッツ!

爆音をあげて、焼け残っていた建物の壁が
崩れ落ちた。

あまりの爆音でよろめきながら研究所の方へ振り返った瞬間、
Dスケは意外な光景を目にした。
そこには地下へと続く、今まで自分が全くしらない
階段があるではないか。


「こんなところに階段・・・・まさか!」

Dスケは散乱した瓦礫を押しのけながら、
地下へと駆け降りた。
階段の先は暗く、そして頑丈なジャッターで閉ざされていた。
自分の手で押してはみるが、それが中学生の手で
押し上がるものではないことぐらい、
誰の目にも明らかだった。

「困った…な。なんともならないのか。」

その時、父の優しい言葉が頭に蘇った。

『人類が絶滅するようなことになったら、
 このラチェット式ドライバーを使うのだ』

そういって父はラチェット式ドライバーのペンダントがついた
ネックレスをDスケに渡していたのだ。

「とうさん、これを使えってことかい…。」

Dスケはラチェット式ドライバーつきネックレスを握りしめ
シャッターをよく観察した。
するとちょうどDスケの目の高さにある
小さな十字型のくぼみを見つけた。

「とうさん、これだね!」

Dスケは十字のくぼみにとうさんがくれた
ラチェット式ドライバーを軽く押し当て、
右に回した。

次の瞬間、青白いLEDランプが一つ点灯し、
続いて無数のランプが順番に光り始めた。
そして光の乱舞が収まると、
うなるような低い音とともに
シャッターが持ち上がった!

一歩足を踏み入れると。
その奥はちょっとした倉庫のような広さと
奥行きがあることが、こだました靴音から感じられた。

中央通路の両脇は、
スチール製の枠に囲まれた棚になっている。
そこには緑色の特殊フィルムにくるまれた箱が
いくつも、いくつも積まれていた。

「で、であごすちーに!?」

その言葉は聞き覚えがあったが、
確信はなかった。
しかし倉庫の一番奥のジュラルミンケースのふたを開けた瞬間、
期待が確信へと変わった。

「ロボザック、RZ-1」

まさにそこにいたのは、組立途中で手を止められたまま
10数年間放置されつづけた超小型スーパーロボット
RZ-1だった!
そしてまわりの箱はその部品に間違いない!!


『Dスケ、あとは頼んだぞ!』






という気持ちの今日この頃です。

PR

2007/11/11 第31〜第48号は・・・ Trackback() Comment(0)

カウンター
 
 
 
関連リンク
 
 
 
ブログ内検索
 
 
 
最初から見る
 
(2007/01/23)
(2007/01/25)
(2007/01/25)
 
 
テーマ